丹波の土を使い、丹波の伝統を大切にしながら、伝統と今風のハイブリッドな新しい作品作りに挑戦しています。カラフルな色使いの中でも、どこかレトロさを感じる作品です。
長い歴史をもつ窯元・稲右衛門窯の11代目稲右衛門を襲名された上中剛司さん。 “伝統”と“今風”を掛け合わせたハイブリッドな丹波焼きを意識しながら作られる作品は、カラフルでひと際目を惹く鮮やかさが特徴です。カラフルなだけではなくレトロさを表現するための色合い、色調、フォルム、また温度にもこだわる作品は丹波焼の奥深さを感じさせます。
きれいな色を出すため、通常より低い温度で焼き上げる。「釉薬に適した温度があるんです。」と妥協を許さない姿勢からも、11代目として丹波焼を継承しようとする強い意志が伝わります。伝統的な薪釜、鎬や墨流しの技法を大切にしながらも、新しいものを取り入れ、進むことをやまない上中さんの作品には、今後の可能性を期待せずにはいられません。